天然砥石の系統と主な礦山


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このコーナーでは天然砥石の系統と主な礦山について解説します。
砥石選びの参考にしてください。



●砥石の系統

天然砥石はその発生源により「本口成り」「中石成り」「合石成り」 の3系統に分けられます。天然砥石は大昔の海底でプランクトン(放散虫)の死骸が長い年月をかけ堆積し出来上がった粘板岩ですが、そのプランクトンの供給源から距離によって地層や性質が異なります。

                 
本口成り 中石成り 合石成り
プランクトンの供給源から遠く離れた場所で出来たもの プランクトンの供給源からやや離れた場所で出来たものプランクトンの供給源近くで出来たもの
砥石層が砥石としては使えない「ごくどう層」を挟んで「天井巣板」「八枚」「千枚」「戸前」「合さ」「並砥」「本巣板」「白」などいくつかの層に分かれて成層している。 砥石層が砥石としては使えない「ごくどう層」を挟んで成層している。 砥石層が砥石としては使えない「かね」を挟んで「本白」「中白」「うろこ」「天井戸前」「本戸前」「敷戸前」などいくつかの層に分かれて成層している。
中山菖蒲大突奥殿など 愛宕、滝谷、月の輪など 日照山、弓削、神前など


※実際の地層は地殻変動により、層の順番が前後したり、層同士が複雑に入り組んでいたりしていて図のようにきれいに並んでいるとは限りません。層と層の際の砥石については「並砥」と区別がつかない「巣なし巣板」や「戸前」とほぼ同じ「合さ」なども多数存在します。内曇などの特殊な砥石以外は、層による差異より個々の品質による違いの方が大きいため、当店では明らかに判断の付くものや仕入れ元で確かなもの以外は層についての表示をしていません。


●天然砥石の主な礦山
天然砥石は京都周辺で採掘された「本山」とそれ以外の場所で採掘された砥石(対馬砥石[長崎県]、天草砥石[熊本県]、沼田砥石[群馬県]、大村砥石[和歌山県など]、但馬砥石[兵庫県]、八丈島砥石[東京都]等々)に分けられます。
京都周辺で採掘された天然砥石に関しても、愛宕山を境に梅ヶ畑周辺の「東物」と丹波地方で採れる「西物」に分けられます。それぞれの礦山は以下の通りです。
     
1.東物
基本的に「本口成り」
板並と締まりが良く上級者好みの石が多い。 中山菖蒲奥殿(おくど)、木津山、鳴滝向田、高山、五千両・大突(おおずく) 、尾崎、相岩谷高嶋、弓削八丁、大野、若狭 など
2.西物
基本的に「中石成り」又は「合石成り」
板並が良く、泥毛が多く研ぎ易い石が多い。愛宕、滝谷、月の輪 、八木ノ嶋馬路山大平山
水木原大内池ノ内、丸尾山、新田、奥ノ門、八箇、三号山、奥杉、芦谷 、日照山、宮川青野、猪倉、神前(こうざき)など
※東物にも一部(弓削八丁など)「合石成り」のものや西物にも一部(大平山や八木ノ嶋、丸尾山など)「本口成り」の特性を持った礦山もあります。




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