●砥石の規格 かつて、天然砥石の卸業者との業者間取引は木箱に入った梱(こうり)単位で行われていました。一梱は十六貫
(一貫≒3.75kg×16=60kg)で30丁入った砥石を30切り、40丁入りは40切り、60丁なら60切りとして取引されていたことから、「〇型」という砥石の規格として定着しました。昔は豊富に産出していたため同じ山の一梱は原則同じ値段でしたが、角が欠けた砥石は「抜け」と呼ばれB級品扱いで安く取引され、40型なら四抜け、60型なら六抜け、80型なら八抜けと言われていました。 この「〇型」はあくまで業者間の慣習による規格呼称で一般には分かり辛いため、当店では採用せず実寸表記のみとさせて頂いていますが、
大体のサイズ感は以下の通りです。
24型 |
長さ218mm×幅78mm |
30型 |
長さ205mm×幅75mm |
40型 |
長さ205mm×幅75mm |
60型 |
長さ195mm×幅70mm |
80型 |
長さ180mm×幅63mm |
100型 |
長さ160mm×幅58mm |
レザー型 |
長さ136mm×幅82mm程度で幅広のもの |
サン型 |
幅が規格サイズより細いもの |
コッパ |
規格外サイズ |
※厚さは関係ありませんが、30型と40型は角欠や厚さによる違いとなります。
※大きな欠けがある場合は抜けとなりますが、明確な基準はありません。
●正本山合砥石とは
「しょうほんやまあわせといし」と読みます。 「正しい本山の合わせ砥石」という意味です。
業者によっては「純本山合砥石」「純正本山合砥石」など別の呼称で表記することもありますが同じ意味です。
「合わせ砥石」は仕上砥石のことで刃物と砥石を合わせて使うことからそう呼ばれています。
「本山」の由来は諸説ありますが、鎌倉時代に京都天然砥石発祥の地である京都梅ケ畑一帯を支配していた豪族「本間一族」の名前から
「本間氏の山で採れる砥石」という意味を略して「本山砥石」と呼ぶようになったというのが有力な説です。
「正本山合砥石」は、もともとは梅ケ畑で採れた天然砥石「中山」「奥殿」などの呼称でしたが、昭和の中頃、一部の業者が「〇〇正本山」の商標登録を試みたのを契機に京都天然砥石組合で「正本山」の扱いが見直され、現在では組合の共有の財産として京都の業者が採掘した京都(京都近郊を含む)の仕上げ砥石の総称として使われています。
ちなみに以前は礦山名は表示せず京都の仕上げ砥石はすべて「正本山合砥石」として売られていました。
これは、同じ産地でも個体差が大きいことと、そもそも砥石は試し研ぎして自分に合ったものを買うという考えでしたのでどこの礦山で採れたかはあまり気にしていなかったためです。
この時代、実際に使った職人の間で「マルカ」の印が押してある砥石に良いものが多いと噂が広がったことから「マルカ神話」が始まったともいわれています。
その後、雑誌やインターネットの普及に伴い礦山に関する情報が広がり、礦山名を気にする顧客が増えたことから現在では「礦山名」を表示して販売するのが主流となりました。
礦山名を表記するようになった結果、先入観から有名礦山の砥石を欲しがる人が増え、今日の有名礦山のブランド化と価格高騰につながっています。
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●良い砥石の見分け方 1.刃物に合って使い易い。程よい硬さで刃物が吸い付くように研げる。
2.色や形が良く、層が均一でムラが無い。
3.筋が無い、筋があっても刃物の地金を引かない
4.キメが細かく、粘りが出る。
5.砥粒の目が立っている
昔から無傷で大きさと厚みがあり層が均一でカステラのような黄板が最高とされてきましたが、そのような砥石はかなりの希少品で当然値段が高くなります。 硬さが合っていて使い易ければ後は好みです。
一に商人
二に硬さ(刃物とご自身の腕に合っているか)
三四が無くて
五は好み
と昔から言われています。ブランドに惑わされずご自身の好みでお選びください。
当店ではお客様に満足していただけるようお応えしたいと考えています。ご不明な点がございましたらご遠慮なくお問い合わせください。
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